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カウチソファとは?他のソファとの違いやカウチの発祥・メリット・デメリットをソファのプロが徹底解説!

カウチソファとは?

他のソファとの違いやカウチの発祥・
メリット・デメリットを
ソファのプロが徹底解説!

カウチソファは足を伸ばして横になることができるソファです。 この記事では、カウチソファの発祥や歴史、一般的なソファとの違いをご説明するとともに、カウチソファのメリット・デメリット、カウチソファを購入するときの注意ポイントと選び方を紹介しています。

1.カウチソファってどんなソファ?発祥と普通のソファとの違い

カウチソファの特徴

カウチソファは足を伸ばして横になることができるソファです。ソファはみんな横になることができるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、カウチソファは長い座面が特徴の、半ベッド風の形状をしています。
ヨーロッパアンティークの座椅子(寝椅子)に優雅に横たわる女性の絵画などをご覧になられたことがあるでしょうか。長い座面の一方のひじ掛けが背もたれと一体化するような形で配され、反対側のひじ掛けは小さめ、もしくはアームレスで作られています。いかにも横になるために作られたような座椅子(寝椅子)がカウチの原型です。

このカウチが現代風にアレンジされ、より生活に適した形に改良されて今のカウチソファの形となりました。現代ではカウチ要素がよりソファに溶け込み、一般的なソファとの違いがわかりにくくなっています。

カウチソファの発祥

カウチの語源は古いフランス語 の「coucher(クシェ)」=横たわる

カウチの語源はフランスの12世紀の古語「横たわる」を意味する「coucheier 」だと言われています。その後、「寝る」「寝かせる」「泊まる」という意味の「coucher(クシェ)」という言葉が生まれ、 これがイギリスに伝わって現在の「couch(カウチ)」という英単語の語源になったと言われています。現在のフランスではソファのことを「canapé(カナペ)」と言います。言語的な流れをみると、フランスではソファは腰掛けるものというよりも横たわるものという意味合いが強いのかもしれません。

ソファの語源はアラビア語の「suffa(スッファ ・サファー)」=座りやすくした場所

一方、ソファの語源はアラビアにあると言われています。アラビア語で「suffa(スッファ ・サファー)」は硬い場所に布やクッションを敷いて座りやすくした場所のことです。 硬い場所に快適に座るための工夫を施した場所、そういった意味では現在のソファにも意味が通じています。

ソファの起源は18世紀フランスの王侯貴族の好んだ家具

シェーズロングに横たわる女性 1800年

ソファという言葉の起源はアラビアの「座りやすくした場所」にあるようですが、家具としてのソファの発祥はフランスにあります。17世紀ごろ、王侯貴族たちがお昼寝やソファ代わりとして使う「デイベッド」が生み出されました。当時の王侯貴族たちは天蓋付きの豪華なベッドに寝るのが一般的でしたから、デイベッドはいわば簡易的なベッドです。現在のベッドを細く簡易的にしたような形状で、背もたれはなく、ベッドでいえばヘッドボードに当たる部分が布張りであしらわれています。ソファというよりはベッドに近いのですが、ここに座りながら当時の貴族たちは会話やお茶を楽しみました。
その後、デイベッドが「シェーズロング」と呼ばれる、より装飾的な寝椅子へと発展を遂げます。ロココ調の猫脚や湾曲した木製フレームなどが特徴の、優美で華麗なカウチソファです。このあたりからベッドよりもソファとしての用途が強まっていきます。このころソファは貴族たちのサロン文化における中心的な役割を果たしていましたが、歴史の流れとともに市民文化へと溶け込み、現代の私たちの生活に馴染むように改良されてきました。

カウチとソファの違いについて

語源からひも解くと、カウチは寝そべることを前提に作られた寝椅子であり、ソファは快適に座ることを追求した椅子だという違いがあります。しかし、様々な家具が世界に渡り、用途やデザインが工夫される中で違いがあいまいになっていった結果、現代ではカウチとソファを同義語として両方使用している国もあります。イギリスにおいては現在も診察台のようなヘッドレストのついた寝椅子をカウチと呼びますが、クッション性のある長椅子はソファと呼ぶ人もいますしカウチと呼ぶ人もいます。

コーナーソファとの違いについて

日本で好まれているカウチソファは、ソファの端にカウチを直角につけた形状のものが多いため、コーナーソファと混同されることがよくあります。しかし、コーナーソファとカウチソファは全く別のものです。カウチソファは横たわれるように座面が長く設計されている(もしくは一部がそうなっている)のに対し、コーナーソファは全て人が座ることを前提に設計されています。

2.カウチソファのメリットとデメリット

カウチソファのメリット

リラックス感が抜群!

何といっても横になれるのが嬉しいカウチソファ。足を伸ばしてゆったり座ることができるのでリラックスできます。座面が長く設計されているので、うたた寝には最適なソファです。

ゆったりと足を伸ばして座ることができる。

家族でソファを使いたいのに、1人が横になるとソファを占領してしまう…そんなことはありませんか?ソファとカウチソファのセットタイプなら、カウチに誰かが横になってもソファを占領されることがありません。

とにかくオシャレ!

左右非対称のデザインとなることが多いカウチソファ。空間の間仕切り的な役割も果たしてくれるので、存在感もあってとってもおしゃれにスタイリングできます。座面が広いとリラックス感も出て、リゾートのような雰囲気も出せるのがカウチソファ。魅力たっぷりで選ぶのが楽しくなりそうです。

大人数で座れる

ホームパーティーなど大人数が集まるときには、カウチに複数人が腰掛けてコーナーソファのように使用することも可能です。ストレートタイプ のソファと違って視線が交わる位置で座れるので会話も弾みます。

レイアウトしやすい

リビングに置くことを想定し設計されているので、テレビを見るときの目線の高さやレイアウトの心配をする必要はほとんどありません。必要なのはリビングスペースに対して、生活導線を確保できるようにサイズを計測することだけ。インテリアに合わせて、お好みの一台を探してみてください。

空間を仕切る役割をする

人気のカウチソファの組み合わせは、コーナータイプが多いです。 人気の理由の1つとしてレイアウトしやすいだけでなく、リビングスペースの間仕切り役としても使えるという点が挙げられます。広いリビングを、テレビを見る場所、子供が遊ぶ場所、ちょっとした家事をする場所…というようにスペース分けしたい場合、カウチソファがあることでお互いのスペースを邪魔することなく区切ることができます。逆に、家族でテレビを見たいときなどはカウチソファの周りに集まることで空間に一体感が生まれ、自然と会話がはずむという利点もあります。

カウチソファのデメリット

広めのスペースが必要

人気のコーナータイプの場合、カウチ部分が直角に出っ張るのでその分広めのスペースが必要となります。ベランダが近い場合やドアがある場合など、生活導線を考えて購入することが大切です。

応接間には向かない

カウチソファはそもそも足を投げ出したり横になったりして過ごすためのものなので、応接間などお客様と大切な話をする部屋には向きません。リビングやパーティールーム などの楽しめる空間に置く家具としてお選びになることをおすすめします。しかし、素材やデザインによってはカウチソファでも応接間に置いて違和感のないものもあります。

3.カウチソファの種類とスツールやオットマンの使い方

ストレートタイプ

ストレートタイプは一般的なソファのひじ掛けの片方をヘッドレストに、もう片方に足を投げ出せるように設計された横一直線のカウチソファです。省スペースでカウチソファを配置することができ、左右非対称の家具を置くことで個性的な空間を作り上げることができます。(中には両側ともにひじ掛けのないアームレスタイプ もあります。)一人暮らしの方にも大変おすすめのタイプです。

コーナータイプ

コーナータイプは一般的なカウチソファです。腰掛けとして使うソファ部分と、足を投げ出して座ることができるカウチ部分が直角に配され、コーナーを形作ることで空間の間仕切りとなる役割も果たしています。左カウチタイプと右カウチタイプがあるので、ご自宅に合わせてお選びいただくことができます。

ダブルカウチタイプ

コーナータイプのソファ部分をカウチのように座面を広く取り、2人が横になれるタイプもあります。座面が広いので大人数が座りやすく、自由度の高い使い方ができるのが特徴です。

オットマン ・スツールタイプ

カウチソファの足を投げ出す部分をオットマン やスツールとして切り離し、横になるときだけ使用するのがオットマン・スツールタイプ のカウチソファです。オットマン やスツールは普段は邪魔にならないように別の場所に切り離して置いておくこともできますし、来客時の椅子として使用することもできます。生活導線を確保しながら、カウチソファのいい部分を活用できるのがオットマン ・スツールタイプのカウチソファです。 オットマン ・スツールタイプであれば応接間などでもカウチソファの使用が可能となり、選択肢を広げることができます。

4.カウチソファを購入するときの選び方と注意

右カウチか左カウチかを確認する

コーナータイプのカウチソファを購入する場合は、右カウチか左カウチかを確認しましょう。リビングの入口にカウチが来てしまうとドアに当たって大変邪魔になってしまいます。カウチ部分が邪魔になるようであればストレートタイプやオットマン ・スツールタイプを検討するなど、スペースに合わせた選び方が大切です。

ベランダへの導線を確認する

リビングスペースに対して大きすぎるカウチソファを選んでしまうと、ベランダに出にくいなどの不便さを招いてしまうことがあります。ソファは直射日光に当たると劣化もはやくなるため、ベランダや窓からはできるだけ離し、離せない場合はマルチカバー やカーテンなどで保護することが大切です。

ヘッドレストの方向

ストレートタイプカウチソファの場合、ヘッドレスト(ひじ掛け)部分がどちらに来るかによってテレビや携帯の見やすさが変わります。利き手が右手の場合、右腕を下にして横になるタイプのカウチソファだと携帯やリモコンの操作がしにくくなります。実際に横になってみるなどして確認することが大切です。

ベッドとしての使用はNG

カウチソファが横たわるものとして作られているのであれば、カウチソファをベッド代わりに利用できるのではないか?!と考える方もいらっしゃるかもしれません。でもカウチソファをベッドとして利用するのはおすすめできません。人間は就寝中たくさんの汗をかきます。その汗がソファに付着すると、へたりや色褪せの元になります。また、ソファのスプリングはベッドのスプリングとは異なり、座るためのものです。長い時間体重を支え続けるベッドスプリングとは強度も通気性も異なりますので、健康で深い眠りを実現するためにはやはりベッドで休むことが大切です。

クッションやブランケットなどとコーディネートすると楽しい

横たわることが前提に作られているカウチソファですから、クッションやブランケットを置いて快適なうたた寝空間を作るのも楽しいです。足を置くことが多いカウチソファにブランケットやマルチカバーをかけると汚れを防ぐ効果も期待できます。マルチカバー やブランケットやクッションは カラーコーディネートを楽しみながら選んでみてください。

5.まとめ

リビングスペースに置く家具としてとても人気のあるカウチソファ。オシャレな見た目だけでなく、気軽に横になることができるのが高い人気の理由です。今回の記事を通して、素敵な一台に巡りあっていただければ幸いです。

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